日本オルゴール療法実施報告

  23, 2012 14:53
ピア・サポート活動の一つとして、主に高齢者の入院者さんを対象に、
オルゴール療法を行っています。
今回は、80代の入院者さんにオルゴール療法を体験していただいた記録を掲載します。
尚、内容など、準備・構築中でありますことをお許し下さい。

入院実施者  K氏 80代女性
使用したオルゴール:しゃぼん玉
H24.8.22 内観療法課 都築誠(薬剤師・歯科医師)

[入院までの経過]
X-4年頃から、近くの某老人福祉施設で、デイサービスを利用していた。
X年6月の下旬より、通所を拒否。
次第に、暴言、暴力が出現。家族対応困難となり、X年7月、本院入院(ストレストケア病棟)となった。

[入院経過]
入院時、「医師が帰って良いと言った(本人の思い込み)。早く帰りたい」と繰り返し、看護が困難な状態だった。入院翌日、回想療法を開始した。

<第1回オルゴール療法:入院7日目>
K氏は、自室でベッドに横になり、面接者がネジを巻いた。
面接に入るなり「主人が遅い、主人は今どこに居るか分かっているはずだ」と攻撃的に話す。
同意を得て、オルゴールを聞いてもらい、感想を聞いた。
「何もないよ、懐かしいだけ。昔の曲、戦後ぐらいでしょ」と話した。

<第2回オルゴール療法:入院8日目>
K氏は、自室でベッドに横になり、面接者がネジを巻いた。
「きれいな曲だね。欲しかったけど買えなかったんだ、兄弟が多かったから」と話した。
落ち着くかと質問すると「落ち着くね」と話した。

<第3回オルゴール療法:入院9日目>
K氏は、自室でベッドに横になり、面接者がネジを巻いた。
「こんなオルゴールを父が持っていた。こんな形をしていた」と話した。
入院10日目、認知症病棟に転棟となった。

<第4回オルゴール療法:入院10日目>
K氏はデイルームの椅子に座り、面接者がネジを巻いた。
「オルゴールはいつ聞いてもいいね」と話した。
入院40日目、自宅へ退院となった。

[考察]
本症は、当初ストレストケア病棟に入院となった。
面接時に、病院の不満、意味不明な言動、作業療法に対する消極的な態度などが目立った。
入院10日目頃から、作業療法参加時に笑顔が見られるようになり、情緒も落ち着ついた。
オルゴールの懐かしい「音」により、気分の緊張が緩和し、看護の介護者に心を開いた結果、積極的な回想療法(内観療法)、作業療法に参加し、退院に繋がったと思われる。
退院時、自宅での暴言、暴力は消失し、再度デイサービス通所検討中。
  

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